テキストはゼロ。手がかりは観察だけの猫メトロイドヴァニア「GLIDE」[OIGS 2026]

テキストはゼロ。手がかりは観察だけの猫メトロイドヴァニア「GLIDE」[OIGS 2026]

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 猫は高いところが好きだ。棚の上,冷蔵庫の上,カーテンレールの上。理由はよく分からないが,とにかく上を目指す。そんな猫の本能をそのままゲームにしたような作品が,「GLIDE」である。

 2026年10月3日,4日に大阪・コングレスクエア グラングリーン大阪で開催されたインディーゲームイベント「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」(以下,OIGS 2026)で,個人開発者BruteForceが手がける本作が,プレイアブル出展されていた。
 2026年8月に韓国・釜山で開催された「BIC 2026」で,吉田修平氏がピックアップしたタイトルのリストにも名を連ねていた作品だ。その吉田氏も「かわいいのに難しい」と評していたという本作だが,実際に遊んでみると,まさに言葉どおりだった。

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 というわけで,恒例の吉田修平インディーゲームショウ振り返り企画のBIC(Busan Indie Connect Festival)版だ。氏は去年に続いて2回目の参加なので,だいぶいろいろ見えてきたようで,韓国開発者に重要なコメントを残していた。

[2026/08/23 10:00]

言葉のない世界で,猫はひたすら上を目指す

 本作は,未知の時代を思わせる奇妙な空間に迷い込んだ一匹の猫の旅を描く,メトロイドヴァニア・パズルプラットフォーマーだ。猫は高い場所を目指す本能に導かれて進み,ときにはさらに上へ登るために,あえて下へと降りる道を切り開かなければならない。
配管が張り巡らされた空間を,猫が跳ね回る

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 最大の特徴は,ゲーム内にテキストやセリフが一切存在しないこと。人間の言葉を必要としない猫の目線に合わせて,チュートリアルの文章も説明書きもなく,プレイヤーは画面に映るものだけを手がかりに,ステージの仕組みを読み解いていく。新しい能力を手に入れたときも,ボタン操作を示すアイコンが表示されるだけで,使い方は自分で試して覚えるしかない。

 ちなみに,テキストがないゆえか,Steamストアページではインタフェースの対応言語が103言語になっている。言葉を使わないゲームは,世界中の言葉に対応している,ということらしい。

レーザーが降り注ぐ部屋。どこが安全かは,観察して見抜くしかない

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成長するのは猫ではなく,プレイヤーの“知識”

 メトロイドヴァニアといえば,新しい移動能力を手に入れて,行ける場所を広げていくのが定番だ。
 本作にもそうした要素はあるが,それ以上に重視されているのが,プレイヤー自身が蓄積した「知識と理解度」である。環境を観察して仕組みへの理解が深まるにつれて,それまで行き止まりに見えていた場所の攻略法が見えてくる。

 「メトロイド」や「ゼルダの伝説」から着想を得たというステージでは,ほぼすべての部屋にパズルや秘密が用意されている。
 光る球やスイッチ,信号を伝える回路など,部屋ごとにさまざまな仕掛けが組み込まれていて,ただゴールを目指すだけでなく,「この部屋には何が隠されているのか」を考えながら進むことになる。

アイテムを取ると,部屋の仕掛けが変化する

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試遊版をプレイ。かわいい見た目に油断していると,トゲに刺さる

 ブースの試遊版でも,床にも天井にもトゲが並ぶ部屋が続く。足場は小さく,ジャンプのタイミングはシビアで,何度も何度もトゲに刺さってからの,x度目の正直だ。
 部屋を抜けると,今度は縦に長い空間。猫の本能に従って上を目指し,宙に浮いた小さな足場を伝って登っていく。足を踏み外せば,下で待っているのはもちろんトゲだ。
小さな足場を伝って上へ。縦に伸びる部屋では,壁と柱のあいだを跳んで登っていく

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 ほかにも,レーザーが行き交う部屋や,ギミックでマップが切り替わる部屋が現れる。どこを通れば安全なのか,どのタイミングで跳べばいいのか,ゲームは教えてくれない。部屋全体をじっくり眺めて,仕組みを自分で見抜くしかない。

 溶岩の上に光る球が浮かぶ部屋では,球をジャンプの足場代わりにして進みながら仕掛けを解いていく。

溶岩の上に浮かぶ球を伝って進む部屋

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 迷っているうちに時間切れとなってしまったが,開発者によれば,本作には能力とは別にアイテムも存在し,それらを手に入れるためにいったん前のエリアへ戻らなければならない場面もあるという。
 行けそうで行けない場所を覚えておき,新しい能力や知識を手に入れたら戻ってくる。メトロイドヴァニアらしい,地図を頭の中で組み立てていく楽しさがある。
なかなか複雑な構造だ

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 それでも何度も挑戦したくなるのは,猫がとにかくかわいいからだ。ドット絵で描かれた小さな猫が,トゲの上をすり抜け,壁を蹴って高いところへ登っていく。失敗してもすぐにやり直せるテンポの良さもあって,「もう1回だけ」と手が伸びる。吉田氏が「かわいいのに難しい」と言っていたのも納得である。

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 「GLIDE」はSteamでの早期アクセス版のリリースが予定されており,体験版も配信中だ。さらに,ブラウザで遊べる体験版がitch.ioで公開されているので,猫好きと,難しいプラットフォーマーが好きな人は,まずは自分の“知識”を試してみてはいかがだろうか。

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