「妻が保護猫活動をして困っています」流産してしまってから半年、子供がほしい39歳夫が妻に抱く疑惑(山村 佳子) | FRaU

「妻が保護猫活動をして困っています」流産してしまってから半年、子供がほしい39歳夫が妻に抱く疑惑(山村 佳子) | FRaU

2026年9月20日から26日は動物愛護週間だ。これは、動物愛護管理法に基づいており、国民の間に広く動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を広めることを目的としている。動物、特にペットとして人気の犬猫の不適切な飼育環境や不正な販売は社会問題でもある。9月11日には福井県で、不正に犬を販売し、病気になった犬に適切な保護をせず衰弱させたなどとして59歳の男性が逮捕された。おそらくこのような事件は氷山の一角だろう。

猫を取り巻く環境も厳しい。猫は繁殖力が高くあっという間に増え、放置せざるを得なくなる多頭飼育崩壊が起こりやすい。その実態は、9月8日に犬猫生活株式会社が公開した、全国120団体の民間保護活動の実態調査をまとめた報告書に詳しい。直近1年間で、多頭飼育崩壊事案を過半数(50.8%)の団体が1回以上経験していると回答。また、保護費用を寄付や事業収入で全額まかなえている団体は19.2%で、約8割で自費負担が生じていることもわかった。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは、メンタル心理アドバイザー、夫婦カウンセラーの資格を持つ。「ペットの保護活動は心身ともに負担をかけます。多頭飼育崩壊の現場、衰弱した動物などを目の当たりにして、心が傷つくことも多いです。そういう負担を家族が理解しない場合、家庭の中で亀裂が入ることもあります」と言う。

山村さんは学生時代に警察官を希望していたが、当時は身長制限があり、受験資格はなかった。一般企業に勤務するが、目の前の人を助けたいという思いは強く、探偵の修業に入る。探偵は調査に入る前に、依頼者が抱えている困難やその背景を詳しく聞く。山村さんは相談から調査後に至るまで、依頼人が安心して生活し、救われるようにサポートをしている。

山村さん連載「探偵はカウンセラー」は、山村さんが心のケアをどのようにして行ったのかも含め、様々な事例から、多くの人が抱える困難や悩みをあぶりだしていく。個人が特定されないように配慮しながら、家族、そして個人の心のあり方が、多くの人のヒントとなる事例を紹介していく。

今回山村さんのところに相談に来たのは39歳の会社員・健太郎さん(仮名)だ。「妻が保護猫活動をはじめてから夜中に出かけることが増え、浮気をしているのではないかと思うんです」と連絡をしてきた。

山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWeb連載など様々なメディアで活躍している。

午前1時に電話が

健太郎さんから電話があったのは、午前1時でした。「夜分にすみません。また妻が出かけていき、衝動的に電話してしまいました」とおっしゃっています。翌日の午前中に、申し訳なさそうにカウンセリングルームにやってきた健太郎さんは「妻とは本当に行き違いばかりで、もう終わりかもしれません」と絶望的な声を出していました。

健太郎さんは大手機械関連会社の営業職とのことで「今日はリモートにしていたから、ここに相談に来られました」と話しています。そして、ため息と苛立ちを交互に繰り返しており、心を落ち着けるためにも、今の気持ちを話していただきました。

「半年前に妻が流産してからおかしなことになりました。それまで、割とクールな方だったのに、ちょっとしたことで泣いてしまう。子供が行方不明になったり、交通事故に遭ったりしたニュースを耳にすると、ボロボロと涙を流して泣くんです。ホルモンのせいかと思ってほっといたんですが、なんかそんな感じでもなくて」

流産は、心に大きなダメージを与えます。子供との未来、家族の希望がなくなってしまったことによる絶望感、そして自責の念、喪失感などで、心身ともに不調になってしまう人は多くいます。妻がちょっとしたことで泣いてしまうのはとても理解できますし、ホルモンということよりも、心の傷に寄り添う必要があるなと思いながらも話を聞いていきます。

「僕はまた次があると思うし、妻は僕より5歳年下なので、若いうちでよかったとも思っています。流産といっても6週目なので、自然淘汰なんですよ、それなのにウジウジいつまでも悩んでいて、僕までうつになりそうでした」

健太郎さんは、常に未来を見ており、前に向かう性格なのでしょう。そういう前向きな考え方もとても素敵ですが、それをおそらく妻は無神経で配慮がないと受け取ったかもしれません。また、健太郎さんの発言により、妻は孤独感を強めた可能性もあります。

「そんなことは絶対ないですよ。人には過去も未来もなく、今だけだということは、夫婦でよく話していますから。だって、今を生きているから、可能性は広がっていくもの。それなのにあいつはずっと泣いたり、自分を責めたりしている。一度『いい加減にしろ!』と怒ったら『離婚する!』と泣かれてしまい、なだめるのが大変でした。僕は離婚したくないんです。会社にも仲間内にもヤバい奴と思われたくない」

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