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子猫を守る親猫の勇気に涙が止まらない!

by MEOWMOE



子猫を守る親猫の勇気に涙が止まらない!

【本編】線状降水帯がもたらした豪雨は、

町の川を一瞬で牙をむいた濁流へと変えていた。

激しい雨音と、流木がぶつかる鈍い音。

視界は水煙にかすみ、世界が灰色に溶けていく。

その濁流のそばで、私は目を疑った。

道路をよろよろと歩く一匹の野良猫

口には小さな子猫をくわえている。

耳の先はびしょ濡れで、尾は泥にまみれていた。

数日前、

この猫が3匹の子猫を産んだと近所で聞いていた。

だが、今、母猫の口にいるのは1匹だけ。

その視線は何度も後ろを振り返り、

目の奥には深い悲しみがにじんでいた。

おそらく、残りの子は——流されたのだろう。

胸が締めつけられた。

私はすぐに駆け寄り、

「大丈夫だよ」と声をかけ、

震える体をそっと抱き上げた。

母猫の体は冷え切り、

ブルブルと細かく震えている。

口にくわえられた子猫は呼吸が浅く、

かすかな温もりしか残っていなかった。

私は傘もささずに走った。

足元の水たまりを踏み越え、

胸に抱いた小さな命の重さを

確かめながら家へ向かった。

部屋に入ると、

すぐにタオルで2匹を包み、

ドライヤーで温めた。

お湯を張った洗面器にタオルを浮かべ、

その上にそっと乗せると、

母猫はかすれた声で「にゃあ…」と鳴いた。

それはまるで「ありがとう」

と言っているように聞こえた。

数時間後、

子猫の呼吸はゆっくりと整い、

母猫も安心したように目を細めた。

私はその瞬間、

堪えていた涙があふれた。

外ではまだ雨が降り続いていた。

けれど、

私の腕の中には確かな命の温もりがあった。

失ったものは戻らない。

しかし、

残された命を守ることはできる。

その夜、

母猫は子猫を胸に抱き、静かに眠っていた。

私はそっと毛布をかけながら心に誓った。

もう二度と、この子たちをひとりぼっちにはしない

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1 comment

@柿崎久美子 2025-08-16 - 11:53 AM

母猫さんの愛情と保護された方の優しさに涙が…😭

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